証券化不動産の定期監査的評価のあり方

2001/10/1


不動産鑑定士 山本厚夫

定期的な評価によって資産価値の目安を指し示す
不動産の証券化は、不動産所有者のニーズと投資家のニーズとが結びつくことにより生まれたスキームといえる。そして投資家にとっては、すでにある投資商品(株式や社債など)への投資と変わりなく、投資判断として、投資対象の収益性や安全性さらに投資の換金性などをみるのである。したがって、不動産の証券化の際には、商圏の原資となる証券化不動産の将来の収益性、安全性、換金性、流通性などを判断するために、不動産の鑑定評価が必要となる。しかし現時点(当レポート作成時である2001年前後。以下、同)のような不動産の証券化の初期段階においてはマーケットが定着しておらず、証券化不動産の現時点での資産価値を知ることは困難な状況であり、投資家保護のためには、その手段として、定期監査的に証券化した不動産の価値を評価することが求められるであろう。本稿ではその証券化不動産の定期監査的評価にあり方についてレポートする。

index
証券化不動産の問題点
通常の証券(いわゆる株式、社債)での現状
まとめ

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