法制度・税制度から見た「中国」不動産投資に関する考察

2008/9/1


株式会社アジアン・アセットリサーチ
不動産鑑定士 菱村千枝

海外不動産の鑑定評価と基本的な投資スタンス
J-REITによる海外不動産投資がいよいよ解禁された。しかしながら、いかに日本国内では敏腕のプロ投資家であったとしても、ひとたび社会経済、法制度、税制の全く異なる国における海外等動産については、十分な経験の地区せくなくして投資家の期待する収益を上げることは至難の業であろう。筆者は不動産鑑定士であるので、海外不動産評価に関するガイドラインが最終的にどのような形でまとまるかは、身に迫った話題でもある。ガイドライン案について、自身の中国でのコンサル案件処理経験からは、評価に関する具体の意見は多く持っているが、本稿では、海外案件の不動産評価をどう実施するか、という比較的狭い論点だけにとどまらず、投資家としてアジアなかんずく中国へと目を向けられる多くの方々に対し、基本的な投資スタンスについて啓発するものとなれば幸甚である。

index
0.はじめに
1.中国での不動産展開における必要前提事項
(1)外国資本に対する制限
1.オフショアからの本土不動産投資の禁止
2.外資不動産会社設立に対する規制
3.企業の持分売買による不動産取得
(2)外国為替について
2.マーケットを見る視点
(1)所有制度と不動産
(2)市場への国の関与の関係
3.中国国内不動産税制の理解
(1)不動産流通関連税
(2)保有関連税
(3)今後の不動産課税の方向性
4.結び

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